前理学研究科長・教授 國府寛司

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理学研究科長の任期を3月末で満了して早くも2ヶ月が経とうとしています.まずは任期中に多大なサポートをしていただいた副研究科長,専攻長・専攻主任・附属施設長・学系長をはじめとする教員の皆さま,そして事務長はじめ理学関係の事務職員の皆さまに,心よりお礼を申し上げます.ありがとうございました.
 2代前の平野研究科長の時に理学研究科長再任の規程ができましたが,先任の平島研究科長は理事就任のため1年半で退任され,図らずも私がその残任期間を含めて2年半の間,研究科長を務めることになり,結果として再任された初めての研究科長となりました.研究科長と副研究科長の任期のズレも生じ,今年度には研究科執行部が大幅に入れ替わることにもなりました.大学の運営においても様々な課題が次々と出てきており,それらに長期にわたって継続的に取り組めるような研究科の運営を考えることも今後,必要になるかもしれません.
 私の研究科長就任は,湊総長の就任に伴う大学の新執行部体制の開始と重なりました.湊総長の下では,総長の任期中の基本方針を受けて,次々と新しい取り組みが始まり,理学研究科でも男女共同参画アクションプランや機能強化促進制度による女性教員・若手教員の増加を目指す人事計画など,大きな改革が進みました.また,事務職員や技術職員の新たな制度についても検討が行われ,支援職員の制度も始まりましたが,これらは将来への見通しがはっきりしないこともあり,各専攻や学内の事情で当初の期待ほどには進んでいない状況です.これについては今後の全学的な動きも見ながら,田中研究科長の下で取り組んでいただけることと思います.
 学内的な動きだけでなく,博士課程学生への経済的支援として大学フェローシップ創設事業や次世代研究者挑戦的研究プログラム(本学では大学院教育支援機構プログラム)が始まり,それまでのドクター支援経費などの学内的支援と合わせて博士課程学生の多くが経済的な心配をしないで研究に集中できる環境が整ってきたのは大変喜ばしいことでした.一方で,2つの類似した事業が並立することの混乱もあり,当初は多くの教職員の方々にご苦労をおかけすることになってしまいました.来年度には両事業が統合される予定とのことですので,今後はより良い博士課程学生への支援として,長く継続されることを願っています.
 このような流れも受けて,博士課程に進学する学生を増やすためには博士修了後のキャリアパスの拡大が不可欠と考え,副研究科長の皆さまの賛同も得て京大理学研究科の強みを活かすような産学連携のコンソーシアム構想を検討し始めました.これも途中で田中研究科長に引き継いでいただくことになりましたが,幸にも既に複数の企業の参加が見込まれ,今年秋までにはコンソーシアムを立ち上げられる見通しとなっています.理学研究科の教員の皆さまには,ぜひこのコンソーシアム事業へのご理解とご協力をいただければありがたく存じます.
 私の2年半の任期中は,コロナ禍やウクライナ侵攻による電気代の高騰などもあり,本来しっかりと取り組むべきことが十分にできなかったのは大変心残りですが,教員・職員の皆さまのおかげで何とか最低限の責任は果たせたのであればと願っています.本学は現在,申請中の国際卓越研究大学もあり,これからまた大きな動きがあるだろうと予想されます.田中研究科長の下で,理学研究科の一体感がますます高まり,教育と研究がさらに発展していくことを心より祈っています.